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2013/08/31

興味関心を持っている教育の領域

旅のブログは滞りがちだが、グランドサークル旅行記が一段落したので、旅のきっかけに関する記事で少しだけ触れていた、教育関連の事業について現時点で考えていることを少し整理してみようと思う。



教育に興味を持ったきっかけ


今となっては立場が興味関心を生んだ可能性も否定出来ないが、高校生の頃のサッカー部の部長経験や大学生の頃のダンスサークルの部長経験(部ではないのだけど部長という呼称が使われていた)を通じて、「組織に所属する人達がHappyになるためにはどうすればよいのか?」ということに昔から興味があった。

大学を卒業して就職する際にも、マネジメントコンサルタントという職業を選んだ一つの大きな理由は、企業等の組織やそこに所属する人々をHappyにするサポートが出来る仕事であったからだし、就職先のコンサルティングファームの人達と一緒に仕事することで自分自身がHappyになれると感じたからだった。

マネジメントコンサルタントという仕事についてからあらゆる業種の企業・公的機関等とお付き合いさせていただく中で、そこに所属する人がHappyになるには、Mindsetが大きな影響を与えているなと思う場面に多く出会ってきた。マネジメントコンサルタントとして活動している際には、企業の経営者やミドルマネジメント層、そして現場の最前線で活動しているクライアントの意識を実際に変えて行動してもらうために、どんな内容の事をどのように提言すべきか?という事に興味関心を持って取り組んできたし、そういう点においてはマネジメントコンサルティングは極めて奥深い職業だと思う。
(「コンサルティングなんて虚業だから早くコンサルなんて卒業して実業の世界に入りなよ」などという発言をする人に出会うことがあるが、そういう方々はコンサルティングワークの奥深さを理解していないと思うことがある。この話はまた機会があれば書いてみたい。)

そんな中、色々な状況が重なって中国オフィスに駐在する機会を得て、初めて海外で生活拠点を持ち、海外でコンサルティングワークをするようになって、実感として教育に関する危機感を抱くようになった。これまでも各種メディアの情報源からグローバル化する社会などと言われていることは知っていたものの、身近に働く自分より優秀な人材が、現地採用というだけで給与が自分の1/2~1/3であることを目の当たりにしたり、中国国内及び世界における競争の厳しさを勝ち抜いてきた人々の話を実際に聞く中で、このまま何も手を打たなければ間違いなく日本の未来は衰退していくと感じずにはいられなかった。

そのような問題を解決するためには、基本的にはバックグラウンドが異なる人達と協力して何かを創出/達成できる人材が今まで以上に必要だろう。否が応でもバックグラウンドの異なる外国の方と活動する機会が増え、その中で一定の価値を提供出来なければ淘汰されていくしかないのである。

特に興味を持っている領域


では、そのような人材を輩出・育成するにはどうすべきかということになるが、現時点では以下のような事が必要ではないかと考えている。

まず、最終的なスキルとしては、語学力・論理的思考力・コミュニケーション力等が必要となるが、そのスキルを身につけるための土台として、ビジョンを掲げて周囲の人を巻き込んでいくリーダーシップや、自身の譲れない価値観や、他者の考えを許容出来る想像力等のマインドセットがあるように思う。そしてそれらのマインドセットを獲得するためには、各要素に気付くための原体験が必要ではないだろうか?
みなさんの周囲で世界でサバイブ出来そうな人達は、知識だけでスキルを身につけた人ではなく、なんらかの原体験に基いてマインドセットが形成され、その上に必要なスキルを身につけた人達ではないだろうか?

このような仮説は私自身の原体験によってもたらされたものでもある。
私は在日韓国人の父と日本人の母の間に生まれ、日本人として育てられてきた。私の世代では在日韓国人に対する差別やいじめはそれほど強くなかったものの、韓国人の血を引くことをカミングアウトすることがずっと出来ずにいた。今となってはそのような話に及ぶことはほぼなく、告白するチャンスが無いので、身近な友人・知人でもこのことをきちんと伝えられていない人達も多い。正直なところ告白出来なかった自分自身に後ろめたい気持ちもあるが、私のバックグラウンドがどんなものだろうと関係ないだろうとも思っている。

そのようなバックグラウンドがあるため、自分自身の環境を恨んだこともあったし、何故告白出来ないのかと悩んだこともあるし、国籍の違いってなんなのかということについて自分自身の存在意義みたいなものと向き合わなくてはいけなかった。それは結果的に一般的な日本人よりはいろんなことを深く考えさせてくれたと今では思える。

また、私が尊敬する友人・知人を見ても、思春期になんらかの原体験として一般的な周囲の人とは異なるバックグラウンドを持つ、マイノリティな経験に向き合ってきたという原体験を持っている人が多い。マイノリティな経験は国籍によるものだけではなく、宗教的なものもあれば、身体的なもの、家庭環境や経済状況によるものもある。

一方で、日本の教育環境に鑑みると、このマイノリティな経験を通じて自身と向き合うという原体験がなかなか無いことに気付く。公立学校の場合は狭い学区が対象となるため、母集団の多様性に限界があるし、私立学校の場合にも経済力や学力が似通ってしまう。多様な価値観の存在に気付くかどうかは、それに触れるチャンスがあったかどうかでしかないのだが、そのチャンスは大学生くらいまであまり存在しない。

そのような背景から、私は中高生を対象に、バックグラウンドが異なる人達で一定期間チームワークを行うことを通じて、自身のマイノリティな部分に気付き、そして向き合える機会を提供したいと考えるようになった。

これからの旅に向けて


これから世界を旅する中で、実際にどんな価値観が存在するのかということを体感していきたいと思っているし、このような考えに近い教育機関・サービスがあれば話を聞いて紹介していきたい。

(もし、この記事を読んだ皆さんの中で、この国でこんな面白い取り組みをしているよというものがあれば是非ご紹介して下さい。)

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