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2014/02/20

初めて社会主義国家を体験した街、ハバナ

2月末から始まるブラジルのカーニバルに行くことを考えると、少し南米旅行開始を早めた方が良さそうだと考え、当初はメキシコシティで1ヶ月弱程スペイン語勉強しようかと思っていたのを変更し、メキシコシティ滞在を2週間ちょっとに短縮し、中米で唯一見ておきたかった国キューバに向かった。
キューバといえばチェ・ゲバラでしょうか?
キューバは御存知の通りフィデル・カストロとチェ・ゲバラが中心となったキューバ革命で社会主義国家になった国。1年ちょっと上海に住んでいたものの、中国は政治を除けばかなり資本主義的な国なので、タイトル通り個人的には初めての社会主義国家の訪問になる。

今回はちょっと長くなるのでキューバ編は珍しく2回に分けて書くことにする。

他の旅人のBlogでもキューバの紹介が書かれてるのだけど、社会主義国家であることによって、他の国とも異なる印象を多く受ける国でもあるので、いくつか面白いなと思った点を紹介したい。

ちょっと混乱する通貨の運用

通貨が外国人観光客用のCUCという通貨(ほぼUSドルと同レート)とキューバ人用のCUPという通貨(CUCの24分の1の価値)が共に運用されている。
これはこれで徹底されていればよいのだけど、(推奨はされていないものの)実際には外国人がCUPを使うことも可能だし、キューバ人がCUCを使って買物をすることもある。
これがまたやっかいで、表示されている値段がCUCベースなのかCUPベースなのかをお店の外見、立地、そして物価状況を総合判断して使い分けなければならない。

ローカルの人達が食べるピザやパスタ等のスタンドショップでご飯を買うと、大体12-24CUP(約50-100円)でごはんが食べられるんだけど、外国人用のレストランやカフェ、バーなんかにいくとランチで10-20CUC(約1,000-2,000円)となり20倍もするので、安くご飯を食べたいバックパッカーはCUPでご飯の買えるお店に行ったりする。

一方で、ローカルのキューバ人の方々は配給制度(※配給制度と言っても、無料で支給されるわけではなく、通常に購入するよりもかなり割安に購入できる権利というものらしい)があるのだけど、配給制度の対象も限定されているし、更には社会主義国ならではというか、市内のスーパーや商店に行っても商品は本当に限られているので、全ての日用生活品・食材を配給で賄うことが出来ないらしい。

商品の陳列棚にポツンと置かれるお菓子
配給制度で卵を購入する少年
そうするとローカルのキューバ人もCUPをCUCに両替して、ドルショップと言われる観光客用のお店で、石鹸等の日用雑貨を買ったりせざるを得ないことも多いそう。

どうやって成り立っているのか分からないキューバ人の生活

そして、聞いた話やWebで調べてみた感じだとキューバ人の平均所得は月15-20ドル(≒15-20CUC≒360-480CUP)らしいのだけど、毎日スタンドショップで最も安いピザを12CUPで買って食べても月に360CUPかかってしまう。住宅費なんかはかからないにしても食費以外の生活費もあることを考えるとどうやって生活が成り立っているのか本当に不思議。

そして住宅も恐らく国から割り当てられているのだと推察されるのだけれど、そのクオリティは千差万別。2011年から住居売買が許可されたらしいものの、通常の人は購入できる資金なんかないだろう。医師なんかはかなり良い待遇を受けているようで、専用のネット回線が使えたり良い車に乗れたりするらしいのだけど、それ以外の人々は綺麗な家とボロボロの家をどう割り振られているのかとても興味深い。
不平不満とか出ないのかなぁ。
少し綺麗な住居のある通りはこんな感じ
ちょっと汚い通りの住居はこんな感じ

見た目は綺麗なクラシックカー

そして、革命以降社会主義国家として海外からの自動車輸入を禁止していたキューバは、アメリカなんかからの1950年台のクラシックカーが現役で活躍しているというのは有名な話。
(前回のBlogでも軽く触れた通り、現在は自動車輸入が可能になったので、いつまでこの状況が続くかはわからない。)

噂通り、空港に降り立ってから見る車の大半がクラシックカー。
(一部のエリート(医師等?)は新しい車も買えるようでアウディなんかも見た)

メーカー忘れてしまったVWかな?
確かシボレーだった気が。。。
同じくシボレーかな?
左はソ連製のLADA
小型のFIATも発見。可愛いサイズ。
夜は夜で味があります。
おまけ。サイドカーTAXIなんてのもありました。
最もクラシックスタイルな馬車もありましたw

かっこ良くて写真いっぱい撮ってましたが、実際に乗ってみると中はやっぱりボロボロ。
エンジンなんかはソ連からの部品なんかを使って入れ替えているようで、雰囲気はよいですが、乗り心地は正直イマイチ。

乗り合いタクシーにてクラシックカーに乗ってみた
このクラシックカーの外見と内実のGapがキューバの事情を表してるのかもなと思ったり。というのも、現在のキューバはかなり観光国家になっていてハバナなんかでは本当に外国人が多い。キューバ人もぱっと見た感じは陽気に過ごしているし、治安の良さからも平和で良い国だな-なんて簡単に思ってしまいそうですが、上述の通り内実はかなり苦労していることも多いのでは?という印象。

狡猾にお金を狙っている人々

キューバの治安は中米の中でも最も良いと思えるくらい平和な街なんだけど、これまでに書いたようにキューバ人の方々の生活状況はそれほど芳しくないということもあり、基本的には観光客はカモとして狙われている。

まず、第一にキューバ人の感覚としては会計の支払いはお金を持ってる人がすればよいという感覚があるらしく、宿の情報ノートにも、「一緒に飲みに行こうとか食事に行こうとキューバ人に誘われて行くとお会計はこちら持ちになるので気をつけるように!」と書かれている。半年以上旅をして少し慣れている部類に入るだろう僕も結果的には少し騙されてしまった。(この話は次回に)

そして、旅先ではたまに物乞いの方に出会ったり、お土産物を売りつけてお金をせがんでくる人達にも数多く会うのだけど、キューバでは物乞いではない一般的な服装をした人に、「ヘイ、チーノ♪」(※チーノはスペイン語で中国人という意味だけど、キューバではかつてアジア人が中国人位しかいなかったので、アジア人全般をチーノと呼ぶ可能性があるみたい。)と呼びかけられ、「ノー、ハポネス。」とか適当に返事してると、「お金くれよー。」とダイレクトに言われるという初めての経験もした。

民宿タイプの宿の存在

キューバでの滞在は大きく2つあって、いわゆる一般的なホテルとカサ・パルティクラル(Casa Particular)と言われる民宿タイプの宿がある。つまりゲストハウスやホステル的な宿が存在しない。
カサ・パルティクラルにはこの看板がついてる
このカサ・パルティクラルは政府から認可を貰って自宅を民宿型の宿として公開するようで、その認可を得ると毎月一定の税金を収める必要があるらしく、空室率が高いと赤字になってしまって大変みたい。

それでもカサを運営するくらいの立派な家に住んでいる人が多いようで、亡命した家族から送金してもらっている人なんかも多いらしい。

バックパッカーは宿代を節約するために大体このカサ・パルティクラルを利用する。
僕はネットで見て最も安くて旅情報も充実しているという日本人限定のアニータの家という宿に4日間泊まったのだけど、ここでも素敵な出会いや偶然の出会いがあった。

初日はキューバ人の奥さんを持つKさんと出会った。
リーマン・ショックでちょっと自暴自棄になって、結婚したいなぁと思いたち、そこで何故かキューバに来てお嫁さんを探したという強者。
ここに書いたようなキューバの事情を色々と教えてもらってとても楽しかった。

それ以外にも、チャリダーで世界旅行しててヨーロッパで強盗にあって、その後オーストラリアでワーホリして再度資金ためて中南米を旅してるT君が来て、一緒にJazz Barに行ったり。
同じような業界で働いてたK夫妻と出会ったり、最終日には上海で昔ご飯を食べたことのあるSさんが現れたりして食事の時間も色んな話が出来てとても楽しかった。


今回はキューバの紹介編ということでここまで。次回はキューバで見せられたアフロキューバンダンスなんかについてちょっと書こうかなと思う。

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