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2014/02/17

アートに触れる機会の多かった街、メキシコシティ

早速失態から始まったメキシコ入り。

前回のブログでは書き忘れたのだけど、いんちょうさんの好意により、当初はメキシコシティで家を短期で借りて住もうと思ってたものの、いんちょうさんの家に泊めて貰えることになった。

これがなかなか素敵な家で、いんちょうさんが住む前にも知り合いの日本人の方が住んでいたらしく、仲間内でDIYをして、本棚や天井のルーバー、スツールなんかを作ってたり、壁に壁画家の友人に絵を書いてもらったりしてて、日本に帰ったらこういう雰囲気の部屋作りをしたいなと思わされる部屋での生活が始まった。

お洒落な本棚と壁画


メキシコ滞在のメインの目的は前回のブログで書いた通りスペイン語のお勉強である。早速いんちょうさんにスペイン語の先生を紹介してもらい、毎日2時間のマンツーマンレッスンを受けることにした。

スペイン語の得意な方に言わせるとスペイン語は英語と似てるとのことらしいのだけど、入り口の時点でラテン語特有の活用、男性/女性名詞、時制が複雑でなかなか頭に入ってこない…。
この半年間で中途半端に英語に慣れてしまったため、スペルをローマ字読みしてスペイン語発音するのに戸惑ったり。
特に最初の1週間は受験生のようにあまり外出もせずに結構勉強していた。

実際にメキシコに来て見て実感したのは、まぁ英語が通じないということ。今後の中南米の旅でのスペイン語の必要性を思い知る。ご飯を食べる時にも、道を聞く時にも、公共交通機関に乗るにもなかなか大変。

そんなスペイン語事情もあり、また旅の前半戦を終えてメキシコ国内をガッツリ観光したいという欲が高まっていなかったという状況もあり、結果的にメキシコシティ以外の近郊の街などには全く行かず仕舞いになってしまったわけだが、メキシコシティ滞在で一番印象に残ったのはシケイロスという壁画家の作品だった。

あまりメキシコシティについても調べずにフラフラ街歩きをしていたのだけど、最初に作品を見たのはUNAMという大学にある壁画。(これは写真撮り忘れ。。。)
その次に見たのは人類学博物館に行こうとしたらメディア取材日で入れず、しょうがなく行った歴史博物館で見た壁画。
最初はこの二つの作品が同じ作者によるものだとは気づかず、メキシコの壁画って独特な構図で線の使い方が面白くて迫力を感じるなぁなんて思ってたら、後に共にシケイロスの作品だと気付き、興味をもったので、最後にポリフォルムというシケイロスの作品のためにメキシコシティに建てられた建築物にも見学に行き作品を見てきた。

どことなく岡本太郎さんの作品に似てるかも、なんて思っていたら少し交流もあったようで、共通の理念もあった模様。(参照

歴史博物館にて①
歴史博物館にて②
歴史博物館にて③
歴史博物館にて④
シケイロスの作品だとここで気付く
ポリフォルムの外観
ポリフォルムの外にも
ポリフォルム内部①
ポリフォルムの内部②

そしてシケイロスとは関係ないのだけど、建築を勉強してるいんちょうさんの友人を紹介してもらったこともあり、メキシコシティでは芸術系のバックグラウンドを持つ日本人の方とお話する機会が多かった。

その中の一人のコンテンポラリーアーティストの方とも話をしていたのは、アートはなんらかのコンテキストを踏まえているかいないかで解釈も変わるんだなということ。
うろ覚えではあるものの、村上隆さんが芸術家起業論という書籍の中で、「芸術はコンテクストを踏まえた上でそこにどういう解釈を付け加えるかを上手く見せなければならない。」という趣旨の事を主張していた。

村上隆さんの商業的な手法や作品がそこまで好みではなかったこともあり、初めて読んだ時は、「そんなものかなぁ?なんか論理的には分かるものの人間の心を揺さぶるようなアートっていうのは少し違うんじゃないかな?」なんて思っていたのだけど、色々と価値観/文化の異なる世界を旅してみると、同じものを見ても感じ方は違うんだろうなぁと思えるようになり、ここに来て村上隆さんの言ってることもそうなんじゃないかと思うようになった。
(僕は見かけなかったのだけど、メキシコのアートには頻繁にスイカが描かれているらしく、日本人の我々からすると意味が読み取れないけど、メキシコ人からすると何か感じるものがあるのかもねぇなんて話も聞いた。)

それ以外にメキシコで感じた事をバラバラと紹介したい。

初めてメキシコシティについて感じたのはあまり音のしない街だな、ということ。メトロやメトロバスなんかに乗った時に人の声があんまり聞こえてこない。日本や中国で生活していたり、アジアの国々を旅した時には乗客がお喋りしていることが多いと思うのだけど、それがあまりない。

メキシコのメトロは駅ごとにピクトグラムが
メトロ社内はこんな感じ
一方で、メトロに乗るとだいたい物売りが乗り込んできて、お菓子や文房具やCDなんかを販売し始めて大きな声をだすので結構うるさいのだけど、特にCDの販売は背中にスピーカーを背負って爆音で音楽をかけながら販売するので近くに来られると耳がやられそうになる。

メキシコシティのメトロはつい最近、乗車賃が3ペソから5ペソに値上がりしたらしいのだけど、こういう商売してる人は利益が出るのか?と不思議になる。
お菓子なんかは大体5ペソ位の単価で売ってるのだけど、粗利はせいぜい1ペソ位だとすると1日100個売っても利益は100ペソで、安い屋台のタコスでも200~300ペソすることを考えると生活は厳しそうだなと思ったりした。

あと、メキシコシティで目に付くのは人目を気にせず激しくイチャつく人々。
男女はもちろんのこと、ゲイカップルの結婚も認められているメキシコシティではゲイやレズビアンの方々がイチャつく姿もよく見る。
公園のベンチや電車の車内で男性が女性を膝の上に乗せてチュッチュしてたり、道端で抱き合ってキスしてたり、UNAMという大学の広場では芝生が碁盤の目上にデザインされている場所があるのだけど、1ブロック毎に1カップルが陣取り足を絡めあって寝技を繰り広げているらしい。
(僕が見た日は休みに時期だったので全ては埋め尽くされてなかったけど、寝技は繰り広げられていた。)

ラテン系のこの熱烈な愛情表現が良いという人もいれば、恥を知らずに人前で欲望のままに行動する文化で好きになれないという人もいるのだけど、このブログを書いている時点では、キューバ、ペルー、ボリビア、チリではこういう姿を見かけないので、メキシコ特有のカルチャーなんだろう。

食についても少し特徴がある。スペインのシエスタの影響からか、昼食は13~15時で遅め、夜はあまり食べないというのがメキシコ式らしい。
12時頃に昼を食べる日本人的には、お昼は13時ごろから店があくので、慣れるまではお腹がすく。
メキシコシティで前職後輩のLeo君とランチした時もランチが始まるまで30分以上待ちぼうけをくらったり。。。

そしてメキシコといえばタコスということで滞在中のお昼は大体タコスを中心に食べていたのだけど、タコスを食べる際にはサルサ(ソース)がついてくる。

赤いサルサ(サルサ・ロハ)と緑のサルサ(サルサ・ベルデ)が大体ついてくるのだけど、このサルサベルデはアボカドソース(ワカモレ)みたいに見えるけど、実は青唐辛子がタップリ入っていて赤いサルサよりも辛いので要注意。

あとは有名な人類学博物館に行ったのだけど、アメリカのグランドサークル旅行の時にも感じたようにネイティブ・アメリカンとかインディヘナの方々の土器のデザインが結構好きなんだなぁと改めて感じたり。






次の国は自動車輸入規制が撤廃されて、クラシックカーがどんどんなくなっていくかもしれないということを聞いて、社会主義国から徐々に脱却していくかもしれないキューバを観ておきたいと思い、弾丸旅行を決行することに。
さてどうなることでしょうか。

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